後継経営者育成のあり方


従来の後継経営者育成方法はまちがっている

ヒューマンバリュー



後継経営者育成

【後継経営者育成】


7 従来の後継経営者育成方法はまちがっている


  そこには多分いろいろな理由があるに違いないと思われる。たとえば、歴史的に見て、商家の後継者は、商家に奉公することによってしか、『商いの道』を学べなかったというようなことがあっただろう。また心情的に現経営者が味わったと同じような体験をできる限り後継者にも経験させることが、『本物の経営者』に育てる近道だと考えられたかも知れない。或いは、いずれにせよ5年や6年で経営が判るはずがないのだからまあいろいろ経験させておこうと考えられているのかも知れない。 しかし、これらの考えは、現在の後継経営者育成に関する限りことごとく間違っている。現在必要とされている後継経営者は高度に経営手法に通じた『経営の専門家』でなければならないからである。彼には、まず経営実務に関して必要な各種専門知識、たとえば財務、営業、生産、労務等の各種分野に対する専門知識(と呼ばれている常識)をまず学ばせねばならない。あえてその水準を言えば、通産省認定の中小企業診断士の試験に合格し得る程度の知識は身につけさせねばならない。大学卒業後は、できる限り早い時期にこれらの知識を修得するチャンスを与えるべきなのである。現経営者の中には、「実務経験もなしに知識ばかり詰め込んで『頭でっかち』になるのは考えものだよ」とおっしゃる方がいらっしゃるだろう。その通りである。 最も好ましいのは、大学卒業後2~3年自分の会社で実務経験を積んでから経営全般について学ぶという手頃であろう。しかし、大学在学中、或いは大学卒業直後から学習を始めても学び方さえ正しければ決して『頭でっかち』の役立たずになる心配はない。というのは、経営の実務知識を学ぶというのは、数学や物理を学ぶのとはチョット違うのである。それは、ただ単なる知識の修得に終ることは決してない。人間について、人間の生き方について、或いは企業のあり方、経営者のあり方について、徹底的に思考するという過程を経ずしては学びようのないものだからである。


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