後継経営者育成のあり方


息子の適性は、教育してみなければ判らない

ヒューマンバリュー



後継経営者育成

【後継経営者育成】


9 息子の適性は、教育してみなければ判らない


  「息子が経営者としての適性に欠けているとしたら、そのような働きかけは無駄になるのではないか。」或いは、「息子にはもっと別の職業に適した素質があったとしたら、その素質を殺してしまうことになりはしないか。」といった心配をきれるむきがあるかも知れない。そういった心配に対して、私は、それが無用のものだとは言わない。しかし、ほとんど心配ないと言いたい。なぜなら、人間の素質は、その人生において誰かの影響を受け、誰かの育成に触れ、自らの懸命の努力によって開花するものだからである。どのような素質も放置されたままでは決して開花しない。息子の素質をできるだけ早期に見つけ出して、育成してやることこそ父親の仕事ではないか。なぜ我が息子の素質を育成し開花させることを他人の手に任せようとするのか。育成者としての第1番目のチャレンジャーとして自己の全人格を息子の育成に傾ければ良いではないか。もし不幸にして、本当に息子が経営者に向いていないことが判ったときは、いさぎよく第2番目の育成者に委ねれば良いのである。もし息子に何らかの職業に対する其の適性があれば、必ず何番目かの育成者と出合った時、その素質が開花するに違いない。だから経営者としてのおやじは、その人生と、全人格を傾けて息子を後継者に育成する努力を為されれば良いのである。自己の経営人生に自信を持ってこの大事業に挑まれることを期待したい。息子が甥に代わろうと、娘婿に代わろうと或いはまた全くの他人に代わろうと、為すべき事に変りはない。
● 後継者育成に情熱を燃やし、それに全人格を投入していただくこと。
● 後継者を『経営の専門家』に育てるための綿密な育成プログラムを検討準備していただくこと。
● そして謙虚にかつ冷静ここの事業に取り組んでいただくこと。
である。


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