ヒューマンバリュースキル

5 後継経営者に選んだ人物を、どのように教育するか。

 ここで述べようとしているのは、既に述べてきたような、合理的基準に基づいて後継経営者にしようと選定した人物であって、まだ、海のものとも山のものとも判らないような人物を育成する話ではない。
それ故、少なくとも先述した『経営全般に亘る専門知識』と、『経営理念実現の情熱(使命感)』とについては、充分なものを保有した人物である。
この人物に対しては、徹底的に経営実務の経験を、させなければならない。
全責任を負って、右か左かを決断しなければならない立場の苦しさを体験させ、自分の不用意な一言によって、どれ程深く従業員が傷つくかについても、知らしめねばならない。
更にまた、マーケティングが、如何に理論通りに行かないものかについても理解させ体験させなければならない。
このためには、でき得れば子会社の経営者、さもなければ独立採算部門の長、それもできるだけ困難な部門の責任者に任命し、直接現経営者の監督下に置いて指導すべきである。少なくとも3~5年のキャリアを積ませた後、後継者の位置を与えるべきである。

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